目は日常生活を送る上で非常に大切です。しかし年齢と共に老化が目にも現れてきます。例えば、加齢黄斑変性症、緑内障、白内障、老眼、ドライアイ…目に関する多くの疾患が加齢と関連深いことがわかってきています

【なぜ「老化」するの?】               からだの科学263(2009)より
様々な仮説がありますが、現在最も注目されている仮設の一つは酸化ストレス仮説です。これは、酸化ストレスが直接体に障害を起こすとともに、炎症が起こって組織障害を起こし、老化するというものです。この仮説にしたがって、抗酸化ビタミンやミネラル(ビタミンA・C・E、亜鉛など)が老化を抑えられるか、米国で疫学調査が行われました。その結果、これらのビタミン類が老化に関する疾患、加齢黄斑変性症の進行を抑制することが明らかとなりました。

【加齢黄斑変性症】
米国における失明原因の第一位(65歳以上)は加齢黄斑変性症です。50歳以上、特に60~70歳代で多く発症します。この病気は、加齢に伴い目の黄斑部分の機能が低下します。
<症状>
黄斑は、視力や色の識別などに関わっています。このため加齢黄斑変性症では中心が暗く見える、物がゆがんで見える、視力低下するなどの症状が出ます。進行すると失明することがあります。
<危険因子>
加齢、喫煙、紫外線、高血圧や動脈硬化など
<予防のために日常生活でしたいこと>
酸化ストレスを防ぎましょう。そのために…
・紫外線を防ぎましょう
・目に必要な栄養素を摂りましょう
抗酸化作用のあるビタミン類(ビタミンC・E・B-カロテン、亜鉛など)や、黄斑部網膜に存在する天然色素の一種、ルテインなどがオススメです。

☆加齢黄斑変性症は大丈夫?
片方ずつチェックしましょう!!
□細菌、視力が下がってきた気がする
□視野の真ん中が見えにくい
□モノがゆがんでみえる
□モノの大きさが左右の眼で違って見える
⇒該当数が多いほど、可能性があります。

【老眼と眼精疲労】
老眼は、眼のピントあわせをする水晶体の調節力が低下し、近くのものに焦点を合わせることができない状態です。ピント合わせが上手くできないと、眼精疲労にもつながります。眼精疲労を起こすと、頭痛・肩こりといった全身症状が出ます。
<日常生活でしたいこと>
目元を温める。度のあう矯正器具(めがね・コンタクト)を使用する。精神的なストレスや体調によっても影響されやすいため、ビタミン剤の点眼や内服などがオススメです。

☆めがねの選び方、4つのチェック☆
□メガネは落ちてこないか?
□耳は痛くないか?
□レンズの真ん中に眼がきているか?
□レンズにまつ毛がつかないか?
加齢とともに視力が悪くなったり、老眼が進んだりするので、作り変えることも必要です。年に1回は視力や眼の検査をしましょう。
『よくわかる緑内障・白内障と目の病気』 主婦と生活社

【目の前を何かがちらつく??  飛蚊症】
視界に浮遊物が見え、視線をずらすと、一緒に動きまわって見える、これが飛蚊症です。これは、眼球内の硝子体におきた濁りが見えている状態であり、原因のほとんどは加齢による目の病気です。硝子体内のコラーゲンが繊維状になり淡い混濁になったり、硝子体が視神経乳頭から外れて輪状の混濁になったりします。大半は、老化に伴って起こる症状で軽いため、通常治療は行いませんが、急に浮遊物が増加したときは網膜裂孔や網膜剥離の可能性がありますので注意が必要です。